『さよならユニバース』脚本vol1
この話は宇宙を舞台にしたインターネット脚本です。
インターネット小説ではないのですが、映画を見ているような気持ちで読んでいただければ幸いです。
登場人物
佐藤 正 40歳 核廃棄物の火星廃棄計画の現地主任。元パイロット
下田 勇気 29歳 子供の頃『宇宙兄弟』を読み宇宙飛行士を目指す。火星訓練では技術だけではなく、植物学の知識も買われて採用された。
遠藤 真弓 28歳 本プロジェクトの最年少。東京大学総合文化研究科卒業。コンサルティング会社勤務を経て、本プロジェクト参加のため。インターマーズ社に就職。
安西裕也 35歳 元農家。農業の知識を買われて核廃棄プロジェクトと並行して行われている。宇宙空間における農耕や酪農の可能性を探っている。
◯2019年 日本 北海道の酪農地帯の空
牛が草を食む。
その上の青い空をロケットが一直線に飛んでいく。
美しい飛行機雲を作って飛んでいたロケットが大きな音もなく爆発する。
数秒おいたのち大きな爆発音とともに暗転。タイトル。
さよならユニバース
◯2035年 火星 IMS(international mars station)の中
佐藤 「さてそろそろゴミが来るぞ。みんな準備しろ。」
下田 「はい。」
下田が宇宙服を着て連結部に移動する。
遠藤 「今日は下田さんが行きますか?」
下田 「ああ、そうするよ。真弓は鳥の餌あげててくれ。」
遠藤 「了解です。」宇宙空間での養鶏を実験するスペースへと移動していく。
佐藤 「下田準備はいいか」
下田 「大丈夫です。いつでもどうぞ」
佐藤 「あと3分で到着だ。」
下田 「落下予測地点に変更はありますか?」
佐藤 「いやない。座標23,58だ。」
下田 「23,58」
言いながら連結部からでて、火星用ランダーに乗り込み、機械に番号を打ち込む。
ランダーが動き始める。
◯すこち後 火星 午後13時 ゴミの到着予測地点
佐藤(無線越しに)「どうだ見えたか。」
下田 運転席から上を眺める「確認しました。」
佐藤 「よし、少し手前で待機してくれ、キャッチしたらmm-8(エムエムエイト)核廃棄上に処分」
下田 「mm-7はもう満杯ですか?この前は後二つぐらいは入れようって話でしたが。」
佐藤 「大丈夫だとは思うんだが、予定よりも早くmm-9の採掘が進んでいるからもうmm-8に入れて大丈夫だろうと思う。お腹いっぱいになるよりも腹八分目が一番安全なのは、人間だけじゃなくて核のゴミ処分場でも同じことだ。」
下田 「なんか例えが、わかりやすいのか、わかりづらいのか、わからないですね。」
砂埃がランダーの運転席に当たる。
下田 「佐藤さん、着きました。これから改修に向かいます。」
佐藤 「おお、頼んだ。mm-8の場所は大丈夫だな?」
下田 「掘るのも手伝いに行きましたからね。大丈夫です。」
佐藤 「そうだな。今日のゴミはでかいらしい。気をつけて挑め。」
下田 「了解です。」
下田、ランダーを操縦し核のゴミが入った黄色いコンテナのような箱を持ち上げる。
すると突然、コンテナが爆発。
佐藤、基地でものすごい爆発音を聞く。計器が危険を知らせるために、警報音を響かせる。無線越しに呼びかける。
佐藤 「下田、下田。応答しろ。」
もう一度さらに大きな爆発音。佐藤が窓から外を見るとキノコ雲が火星の空に人がった。
続く